介護の仕事は始めやすい
平成十二年四月一日から介護保険がスタートした。
その直後、全国的に在宅サービス(ホームヘルプサービス中心)を展開していた大手事業者が、当初の目論見よりも利用者が獲得できないため、事業規模を大幅に縮小した。
そのため、なんとなく介護事業に関してマイナスイメージが広がった。
しかし、私は当初より在宅サービスは元来「地域密着型」であるから、全国展開は難しいと思っていた。
つまり、全国展開する大手事業者に所属するホームヘルパー達は、仕事の段取り・仕事の要領を覚えてしまえば、かなりの確率で独立してしまうと想像していたのだ。
たとえば、地方に住むヘルパーさんの場合、親族・一族および友人・知人の家族の中に必ず数名から十名前後の要介護高齢者がいる。
したがって仕事の段取り・要領を覚えてしまえば、客の確保は確実だから、すぐに独立できる。
要介護高齢者の方でも、見ず知らずの大手事業者よりは、
「○○の△△さんの娘で□□ちゃんが、ホームヘルパーを独立開業したんだって、なかなか評判がいいらしいよ」
ということで、全国展開大手事業者よりは□□ちゃんに在宅サービスを依頼してしまうようになる。
つまり「やり手」のヘルパーさんは、1〜2年間を大手事業者で経験を積み、自信をつけたら続々と独立開業してしまうと推理していた。
もっとも、大手事業者の事業規模縮小は、私の推理とは別の理由で起きたようだ。
まだ介護保険制度が理解されていず、「介護保険って、なんだか分からない」ということで利用者が足踏み状態になっているためである。
でも、漸次、利用客は増加していくことは百%確実である。
時代は「少子高齢化時代」なのだ。
職業・資格を選択する場合も、「少子高齢化時代」をはっきりと認識した方がよい。
たとえば、小・中・高の学校教諭になることは非常に難しい。
クラス数がどんどん減少しているから、当然新規採用人数は激減している。
たとえば、東京都が採用した小・中・高の教諭数は、平成元年度は1844人であったが、平成10年度は991人と半減している。
30年程前は「先生にでもなろうか」「先生にしかなれない」という「でもしか先生」なる流行語があったが、今や夢物語である。
ついでに付け加えると、保育園の保母さんは少子化時代でもさほど採用人数は減少していない。
幼児の人数は激減しているのだが、女性の社会進出が著しいため保育園へ預ける比率が上昇していること、さらには、延長保育や0歳〜1歳保育の定員が拡大しているためである。
少子化にもかかわらず保育園の需要が増大しているということは、幼稚園の教諭の方は非常な狭き門となっていることを意味する。
さて、「少子高齢化時代」であるから、高齢者を対象とする産業が隆盛になるわけだから、それを支える人材も大量に必要になる。
しかし、それに就く能力・資格が難しければ、なかなか就職は困難となるが、
介護産業の場合、はっきり言って「簡単に資格が取得でき、簡単に就職できる」のである。
世の中、不景気で失業率が高いにもかかわらず、そのことが言える。
ただし、介護産業に従事する基本的な資質は「やさしい心」「思いやりの心」であることを承知しておいて下さい。
だから、皆さんの知人の中に、そうした心を持っていながら、就職のことで悩んでいる人がいたら「簡単に資格がとれて、簡単に就職できる」と教えてやって下さい。
その人がハッピーになるだけでなく、その人の家族、その人が受け持つ大勢の高齢者がハッピーになります。
若者だけでなく、中高年でも同じことがいえます。
子育てを終えた中年主婦に、そのことを知らせたら、ホームヘルパー二級の資格を収得して、半年後にはホームヘルプサービスの仕事に就いている。
あるいは、特別養護老人ホーム・デイサービスで働いている人もいる。
某団体が解散することになって失業確実の中年男女二人に、そのことを知らせたら、はり・灸・マッサージ師の資格を収得して、五年後には二人で開業している。
なにかしら社会貢献を、と考えている高齢者に、そのことを知らせたら、数人の高齢者でNPO(非営利法人)を立ち上げて、デイサービス事業を開始している。
そうした人が大勢います。
多くの「やさしい心」「思いやりの心」の人々が高齢者産業に従事すれば、生き生きした高齢社会になることでしょう。
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